今日のオススメサイト
そういえば最近,かなりオススメブログを発見しました.Hello, Atlanta. This is Chicago Callingさんなんですけど,シカゴ*付近*に在住というジャーナリストの方が日英で記事を書いているブログです.話題は発音から表現,アメリカ生活のことと幅広いです.日英で書かれている,という時点で,翻訳者のたまごとしての自分とっては食指が動くんですが.
英語もこなれていて非常に参考になります.
ここで,roniricaさんが,
That is why I only loosely translate my own English into Japanese for this blog. They are close in meanings but not exactly the same. I think in Japanese when writing in Japanese, and I try to rewrite in English, thinking in English without directly translating word by word. I do that, because I know that my Japanese translation sucks. For that matter, I don’t know how good my English is, either. To me, it also helps me go with the flow of my thoughts without focusing too much on translations.
難しいから、私も、和訳するという作業が嫌い。苦手です。私の英訳もどれだけいいのか分かりません。そんな訳で、このブログも和訳を付けているように見せかけて、実は厳密な訳はしてません(自分が書いたものに関しては)。それよりも、英文の部分は英語で書きたい事を、日本語の部分は日本語で書きたい事を好き勝手に書いております。ま、同じことを二度考えているので、英語でも日本語でも、ほぼ同じ事を言っていると思いますけど。翻訳という作業にフォーカスしすぎると、個人的に、書いている時に思いつくことをすらすらと書けなくなってしまうのです。
とおっしゃっていたのがとても印象的でした.この話って,英語学習とか,「翻訳」ってものの根本に関わることだと思うんですよね.
というのも,私が思うに,英文和訳,和文英訳,という作業って,一生かけて習得するような非常に高度な技術だと思うんですよ.文を「訳す」というのはそもそも,単語や表現ごとに,記憶を頼りに置き換える作業では決してなくて,たとえば英文和訳なら,(1)英語の文を読んで,(2)その意味を英語で理解し,(3)その意味を頭に保持して,(4)それを日本語で言うならどう言うか考え,(5)日本語の文を作文する,という作業だと思います.
なので,実質的に二度考えていることになるんですよね.書かれている英語の文と同じレベルの思考ができないとその文は理解できないですし,訳すなんて到底無理です.同様に,その意味レベルのことを日本語で書いたことがなければ,日本語で書くこともできません.
それなのに,受験英語になると,判を押したように「英文和訳」や,「英作文(要するに和文英訳)」が問題に出題されるのはとても不思議ではないでしょうか.そもそも「英語で理解する」ための英語力をつけている段階なので,英語のまま理解するということができず,訳すなんでもってのほかです.上の(2)の段階まで行っていないわけです.
その結果,受験生たちが取る対策は,「パターン学習」です.つまり,この場合はこう訳す,この表現はこうすればいいい,というパターンを,役立たないものまで含めてがむしゃらに暗記して,なんとか乗り切ろうとします.受験参考書も,ほとんどのものが,この「パターン学習」を手助けするように作られています.つまり(1)英語の文を「見て」,(2)記憶している「パターン」に当てはめながら置き換え,(3)日本語の文を組み立て,(4)その日本語の文を読んではじめて理解する,というプロセスになっています.この方法では破綻していまうことは明らかで,ここで英語が嫌いになってしまう人がたくさんいると思います.
私も,周りの人などを見ていると,英文を読むときに,「どう訳したらいいか分からないのに,英文を読めるわけがない」「この文を読みたいから,まず和訳する」ということを言っている人がけっこういます.繰り返しますが,訳すこと,と,読む(理解する)ことは全く別のことです.しかし,教え方が悪いのか,「読む=訳す」という考えが蔓延してしまっているように思うこの頃です.
上のroniricaさんの文も,確かにword-by-word translationとは決していえませんが,日本語と英語の文が非常に立派な「訳文」となっていることに気づかれたでしょうか.もしこのような訳を受験の和訳・英訳のときに書いたとしたら,点数は低くなってしまうでしょう.
(もちろん,翻訳者が熟練すればするほど,パターン化して訳せるようになる,ということを付け加えておきます.でもこれは,受験生が行っている「パターン翻訳」とは全く別次元の話です.)
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またまた選挙関連の単語"poll"が「時事英語重要英単語」にランクインしています.ということで,1週間ほど前に取り上げたばかりですが,またそれを再掲してみたいと思います.
(以下再掲)
出てきました,選挙関連の英単語.大統領選は終わりましたが,今ではウクライナの騒動もあって,再度よく目にする(耳にする)ことが多くなってきました.
poll (名) 世論調査, 選挙結果
SVLレベル 5
米大統領選の直前には毎週・毎日,各メディアによって行われていた調査のことです.要するに,ケリーかブッシュか,支持率が何%かということを調べるものです.日本ではよく「支持率」といいますが,英語で"approval rating"と言うことはあんまりなくて,いつも"poll"の結果がどうのこうの,という言い方をしています.CNNを見ていれば嫌でも「頭から離れなく」なります.
A poll is a survey in which people are asked their opinions about something, usually in order to find out how popular something is or what people intend to do in the future.
『コウビルド英英辞典』のこの定義を見る限り,「世論調査」という認識で良いみたいです.あと,頻度は「世論調査」よりも少し少ないですが,「選挙」とか「投票」という意味もあります.その場合はこんな感じで使われます.
用例
(「投票」)
presidential poll(大統領選の投票)
↑「大統領選」そのものを言う場合は"presidential election"です.
one's poll(〜の投票)
(「世論調査」)
exit poll(出口調査)
poll found(indicated, reveals, shows) 〜(世論調査の結果,〜が分かった)
poll result show(〃)
opinion poll(意見調査)
(その他)
poll tax(人頭税)
ウクライナ選挙では,この"exit poll"(出口調査)と,公式な結果があまりにも違っていて,不正があったんではないかと騒がれていました.
今日は関連して,"voter"(有権者,選挙民)も取り上げようと思ったんですけど..."vote"(投票する)を知っていれば,それに"er"(〜する人)を付けただけなんで,全然特筆すべきことはありませんでした.でもよく出てくるので要チェック.
On the flip side, 50 percent said they thought the economy was getting worse, compared with 45 percent in the previous poll.
しかし一方,50%の人が経済状況は悪くなっていると答え,これは前回の調査の45%と比較して上回る結果となった.
「poll = 世論調査」
が分かった人( ゜д゜)ノ ハイ!
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